FEELEX of VR Lab. Univ. of Tsukuba

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FEELEXは対象指向型フォースディスプレイと実空間グラフィックスを統合した新しいインタラクションスタイルを提案する。
FEELEXの実現に向けた研究は1995年に始められた。初期の構成は、平面に配置された5個の直動アクチュエータの先端にゴム製のスクリーンを実装したものであり、アクチュエータの上下動により変形するスクリーンに映像を投影していた。FEELEXの基本構成は、このプロトタイプにより確立された。現在、小型化アクチュエータを用いて力覚呈示面を改良した先進のプロトタイプが存在する。
1997年に開発されたFEELEX 1は、スクリーン面積が240mm X 240mmであり、両手のひら全体で操作できるよう設計された装置である。スクリーンは直動アクチュエータの先端にマジックテープで取り付けられ、アクチュエータの上下動により変形する。スクリーンの下には直径4cmのアクチュエータを縦横6列ずつ、計36本をアレイ状に配置した。スクリーンは厚さ3mmのゴムプレートと白いナイロン生地で構成されている。
直動アクチュエータには送りネジ機構を利用し、DCモータの回転運動はロッドの直動運動に変換される。また、送りネジ機構の特徴であるセルフロックを利用することにより、物体形状呈示時に連続的なトルクの発生を必要としないメリットがある。これは、比較的硬い物体を呈示する場合に有効であり、道具把持型など他のフォースディスプレイで起こりやすい、力を入れて押すとバーチャル物体を突き抜けたり、不快な振動が発生するといった問題を回避することができる。
さらに、力センサのデータを基にPC制御でアクチュエータを動作させることで、柔かい物体の呈示が可能となる。力センサとして、直動アクチュエータの上部に歪みゲージを取り付け、ユーザがかけた力により生じるアクチュエータ先端の微小変位を検出する。アクチュエータの先端位置は、DCモータの軸に実装されたロータリーエンコーダで計測する。直動アクチュエータの最大ストロークは80mm、最大移動速度は100mm/s。

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FEELEX2は力覚呈示面の改良を目的として、医療現場での触診を考慮して設計された装置である。スクリーン上の任意の位置に指先で触れたとき、少なくとも1本のアクチュエータの先端に当たるように、配置間隔を8mmとし、スクリーンの面積は3本の指が入る大きさとして50mm X 50mmとした。
装置の駆動にはラジコン用のサーボモータを使用した。サーボモータの幅は8mm以上あるため、駆動ユニットを直線上に配置することができない。8mmの配置間隔を実現するため、直動アクチュエータにはピストン・クランク機構を利用した。サーボモータの回転運動はクランク・シャフトとリンクによってロッドの直動運動に変換される。ロッドの最大ストロークは18mm、最大移動速度は250mm/s。サーボモータの最大トルクは3.2kg/cm、ロッドの先端では1.1kg/cmとなり、指先での触診においては十分な値といえる。弾性スクリーンの下に23本のロッドがアレイ状に配置され、ロッドから離れた位置にサーボモータが配置されている。
ロッドの直径は6mmと微小なため、歪みゲージを取り付けることができない。そこで、サーボモータに電流センサを接続し、モータ内部の電流量を計測することで力センサを実現した。サーボモータはクランク・シャフトの位置を維持するためにトルクを発生させる。ロッドの先端にかかる力と比例した電流量がモータ内部に流れるため、電流センサの値をもとにロッドの先端にかかる力を検出する。力センサの分解能は0.04kgfである。



関連論文

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