牽引力錯覚の定量的評価のための非対称振動提示装置

従来の牽引力錯覚の誘発方法として,ボイスコイル型の振動子に対して非対称な電流信号を入力することで非対称振動を生成する方法が用いられていた.一方で振動子の特性をブラックボックスとして扱い,牽引力錯覚が顕著に生起する電流信号を実験的に選択していた.そのため,振動子が変われば同様の効果が得にくく,再現性は低かった.また,入力信号で錯覚を議論していることから,非対称振動の物理量(振動加速度,周波数等)に対応した錯覚の知覚特性を議論することは困難であった.そこで本研究では,牽引力錯覚を定量的に評価するために任意の非対称振動を生成できる装置を開発した.
本装置では,ユーザが装置を把持した状態をモデル化し,ユーザごとに指を含めた系の伝達関数を同定する.同定された伝達関数の逆システムを用いて目標とする非対称振動データから電流信号をシミュレーションする.得られた電流信号を振動子に入力することで目標とする非対称振動を生成する.リファレンスデータを変化させることで任意の非対称振動を生成可能である.

 

発表論文

  • Takeshi Tanabe, Hiroaki Yano, Hiroo Iwata,“A Control Method of Asymmetric Vibrations for a Quantitative Evaluation of Induced Pulling Sensation,”Proc. of IEEE Haptics Symposium 2018, pp.54-55, 2018. [poster]